建設現場に欠かせない仮設事務所や仮設トイレ。これらの運搬費用は「距離×車両×人員×難易度」で決まりますが、現地渡しを活用することで大幅にコストを削減できます。本記事では、送料の算出方法から実際の相場、コスト削減のノウハウまで詳しく解説します。

目次
- 結論:送料は「距離×車両×人員×難易度」で決まる
- 費用を左右する4要素(距離/車両/人員/難易度)
- 現地渡しのメリットと注意点
- 誰が手配する?分担パターン3例
- 送料の参考レンジ(ユニック/トレーラー × 距離)
- コストを下げる実務(まとめ搬送・積載効率・動線整備)
- トラブル事例と予防策(チェックリスト付)
- 見積もりの取り方と、記載すべき条件
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
1|結論:送料は「距離×車両×人員×難易度」で決まる
仮設事務所・仮設トイレの運搬費は、以下の算出式で決まります。
算出の基本式
片道の距離制 or 時間制運賃(車種別の単価)
+ 待機時間料(30〜60分刻みの加算)
+ 付帯作業料(積込・玉掛け・設置補助など)
+ 実費(高速・回送・夜間/深夜割増 など)
※トレーラー等の特殊車両は割増(例:2割)が設定されるのが一般的です。
現地渡し(ヤード引き取り)を活用すると、手配の自由度が上がり、費用のブレを抑えやすくなります。
2|費用を左右する4要素(距離/車両/人員/難易度)
距離要素
- 〜50km:近距離圏内
- 〜100km:中距離圏内
- 100km〜:長距離(中継・前日積み等でコスト上昇)
段階的に運賃が上昇し、長距離では特別料金が適用されることがあります。
車両要素
- ユニック車:積載クレーン付きトラック。4t〜10t級
- トレーラー:20t級の大型運搬車両。長尺・重量物対応
- 平ボディ:一般的な平トラック
台数・回数が増えると比例してコストが上がります。
人員要素
- 積込作業員:フォークリフト操作・手作業
- 玉掛け作業員:クレーン作業に必須の有資格者
- 誘導員:安全確保のための人員配置
安全のための人件費は確保必須です。
難易度要素
- 進入路幅・高さ制限
- 搬入経路の複雑さ
- 時間的制約
- 特別な養生の必要性
作業時間が延びる=コスト増となります。
3|現地渡しのメリットと注意点
メリット
- 搬送手段の自由選択:買主側が最安手段を選択可能
- 価格交渉のシンプル化:「送料込み価格」にしないため透明性向上
- 受け渡し調整の柔軟性:スケジュール調整がしやすい
注意点
- 受け渡し日時の確定:待機料回避のため事前調整必須
- 積込機材の確認:フォークリフト/ユニックの有無を明記
- 検収方法の合意:立会い or 写真+チェックリスト
- 動線・安全配慮:誘導、養生、雨天対応の共有
4|誰が手配する?分担パターン3例
パターン1:買主手配(基本形)
- 搬送:買主手配
- 積込:売主(フォークリフト有)
- 特徴:トラブルが最も少ない
パターン2:共同手配
- 搬送:買主手配
- 積込:売主+買主で人員調整(玉掛けのみ買主等)
- 特徴:コスト分散が可能
パターン3:売主一括手配(例外)
- 搬送:売主手配→費用上乗せ提示
- 積込:売主
- 特徴:手間は少ないがコスト高
5|送料の参考レンジ(ユニック/トレーラー × 距離)
あくまで概算レンジです。地域・時間帯・個体サイズ・作業内容で上下します。
| 車両 × 距離 | 〜50km | 〜100km | 100km〜 |
|---|---|---|---|
| 4tユニック | 3.1〜4.5万円+実費 | 4.5〜5.5万円+実費 | 5.5万円〜+実費 |
| 大型/10t平 | 4.0万円〜 | 5.0万円〜 | 6.0万円〜 |
| トレーラー(20t級) | 7.0万円前後〜 | 8.0〜10.0万円 | 10.0万円〜 |
補足
- 待機料:30〜60分刻みで車格別加算(例:トレーラーは30分ごと数千円台)
- 割増:ユニック作業・休日・夜間/深夜は割増(例:2割)
- 実費:高速・回送・特別養生は別建て
6|コストを下げる実務(まとめ搬送・積載効率・動線整備)
同日まとめ搬送
複数基/複数棟をまとめると1基単価が下がります。効率的な配送計画の策定が重要です。
積載効率の事前設計
- ラッシングポイントの確認
- パネルの向き・固定方法
- 付属品の適切な配置
動線整備
- ヤードの一時保管場所→積込位置までの障害物除去
- 写真共有:搬出ルート・門幅・天井高などリスクの事前共有
- 予備日設定:雨天等での延期に備えた1営業日程度の予備枠
7|トラブル事例と予防策(チェックリスト付)
よくある事例
- サイズ/重量見込み違いで車両が入らない
- 待機超過で割増請求
- 養生不足で外装の傷・凹み
- 近隣クレーム(騒音/路上占有)
予防チェックリスト(出発前に)
8|見積もりの取り方と、記載すべき条件
問い合わせ時に伝える情報
- 個体情報:サイズ・重量・状態・写真
- 積込条件:フォークリフト有無/人員/所要時間見込み
- 受け渡し住所・希望日時
- 付属品の有無:架台・階段・パネル等
見積もりに入れてもらう条件
- 運賃の前提:距離制 or 時間制、車格、ユニック作業の有無
- 待機料の発生条件:例「30分以上で×円/30分」
- キャンセル/リスケ条件:例「前日17時以降×%」
- 高速・回送料・特別養生などの実費の扱い
- 荷下ろし側の受入体制前提
見積書の条件は取引書面にも反映して、後日の認識差を防ぎましょう。
9|よくある質問(FAQ)
Q1. 設置・撤去まで依頼できますか?
A. 設置・撤去は範囲外ですが、必要に応じて業者手配の相談は可能です。
Q2. 長距離(200km以上)の場合は?
A. 中継・前日積み等でコストが上がる可能性があります。複数基をまとめ搬送できると単価が下がることがあります。
Q3. 雨天時はどうなりますか?
A. 安全最優先で事前に予備日を設定し、待機料やリスケ条件を見積時に合意してください。
Q4. 誰が送料を負担しますか?
A. 原則買主負担(現地渡し)。売主手配の場合は、運搬費を上乗せした価格提示を行います。
Q5. 待機料や割増はどれくらい?
A. 会社・地域で異なりますが、待機は30〜60分刻みの加算、ユニック・休日・夜間/深夜は割増が設定されるのが一般的です。事前に条件を明記しましょう。
10|まとめ
仮設事務所・仮設トイレの送料は「距離×車両×人員×難易度」の掛け算で決まります。
重要なポイント:
- 現地渡しの活用で手配の自由度とコスト削減を実現
- 待機・割増の条件を事前合意でトラブル回避
- まとめ搬送/積載効率/動線整備/写真共有がコスト削減の鍵
適切な計画と事前準備により、運搬コストを大幅に削減できます。見積もり取得時は必要な条件を明確にし、安全で効率的な運搬を実現しましょう。
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