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建設機材の用意は「レンタル」が賢い選択なのか レンタルのメリット・デメリット

建設業では日々多くの機材が使われています。足場や防音シートをはじめ、特殊な現場では大型の重機が必要になるケースもあるでしょう。そういったものを毎度、必要個数買っていては会社の資金はとても足りません。また、その現場でしか使わないものを保有しておくことも、会社の保管スペースを圧迫してしまうことになるでしょう。

ならばどうするべきなのでしょうか。有効な解決策として、機材をレンタルするという方法があります。機材のレンタルは、必要なタイミングだけ必要な機材を借りるという方法です。

この記事では、建設業における機材のレンタルについて、そのメリットとデメリットをHOYOSHA international株式会社の羽山社長が語ります。


目次

特殊な機材も即手配。現場の多様なニーズに応えるレンタルという選択肢

機材をレンタルをすることの主なメリットは、購入よりも安価に使用できること機材の整備や点検が不要であること調達スピードが早いことなどです。

建設業では、現場によって作業内容が大きく変わるため、現場ごとに求められる道具や機材も異なります。たとえば、ある現場ではパワーショベルが必要でも、次の現場ではフォークリフトを使用するということは珍しくありません。このような状況が続く中で、毎回すべて購入していたら、資金がいくらあっても足りないでしょう。

レンタルで金銭的負担を大幅軽減

この建設業でよくある問題を解消できるのが、必要な時だけ必要なものをそろえられる「レンタル」という手段です。特に、重機や足場といった大きな設備をその都度借りて、使い終わったら返す。これだけで機材を用意する金銭的な負担は格段に軽くなります。新品の機材を購入するとなるとかなり高額になるため、現場単位での使用ならレンタルの方が断然経済的でしょう。

機材レンタル会社では、特殊な資材や機械まで、種類豊富にそろえていることが一般的です。たとえば防音パネル、朝顔(防護棚)、安全鋼板など、特殊な工事でしか使わないようなものでも、必要になった時にすぐ借りられる。これがレンタルの大きな価値です。使用頻度が低いものほど、レンタルの方がおすすめです。

整備・点検の手間も不要

また、レンタルであれば、機材の整備や点検もレンタル会社が行います。借りる側は整備の手間や管理コストを気にする必要がなく、常に安全に使える状態の機材を用意できるという点も大きなメリットになるでしょう。

調達スピードの速さも魅力

さらに、現場によっては、「すぐ動かしたい」「明日には必要」といったケースもありますが、そういう時でも購入よりレンタルの方が対応しやすい傾向にあります。調達スピードという面でも、機材のレンタルは昨今の建設現場に欠かせない存在です。現場によっては、工事の途中で必要な資材や機材が増えることがありますが、その場合でも追加でレンタルすればすぐにそろえることができます。


レンタル利用の際は紛失・破損リスクや想定外の追加費用に注意

もちろん、レンタルにはデメリットもあります。レンタル品の紛失・破損リスクがあること機材の運搬や延長で追加費用が発生することレンタル品と自社資材の混同を防ぐ仕組みづくりが必要なことなどです。

紛失・破損には弁償リスクが

紛失や破損のリスクについては、借りた資材を壊したり失くしたりした場合に、弁償や修理費用が発生します。保険でカバーできるケースもありますが、すべてが100%補填できるわけではありません。

運搬費や延長料金などの追加コスト

次に、追加費用です。一般的に、レンタル品を借りる時と返す時には運搬費が発生します。距離が長くなればなるほどその分コストも上がるので、現場に近いレンタル会社を選ぶのが理想です。ただし、使用する現場から近い場所にレンタル会社があるかは運次第のところもあるため、毎回安く抑えて利用できるかは分かりません。

また、レンタル期間の延長があれば、追加で費用が発生します。建設業界では、工期が予定より伸びてしまうことも珍しくありません。レンタルは「1日いくら」という単位で料金が発生することが多いため、想定していたよりも費用がかかることがあります。

ただし、重機のような大型機材の場合、それを自社で保有し続けて維持管理するコストを考えれば、追加費用を考えてもトータルで見た時にレンタルの方が安く済むことも多いでしょう。

資材管理の煩雑さにも注意

最後に、資材の管理が煩雑になるという点も挙げておきます。購入品とレンタル品を混ぜて使うと、返却の際にどれが自社のもので、どれがレンタル品か分からなくなることがあります。特に足場などは見た目が似ているので、レンタル品と自社資材の混同を防ぐ仕組みを作っておくことが大切です。


購入との使い分けが鍵。レンタル活用は昨今の建設現場におけるスタンダードに

私自身、これまでいくつもの現場を見てきましたが、今の建設業では購入とレンタルを上手に使い分けることが主流になっています。たとえば、どの現場でも必要になるような基本的な資材は自社で所有し、特殊な工事や一時的に必要なものだけレンタルする。そうすることで、必要最低限の設備投資で済み、保管スペースの問題や償却のリスクも軽減できます。

多様化する現場ニーズに柔軟対応

特に最近は、現場の多様化が進んでいます。屋根工事・道路工事・リフォーム・塗装など、現場ごとに求められる機材がまったく異なることも多いですが、さまざまなニーズに対応できる在庫の豊富さがレンタルの強みです。防音シートやフェンス、朝顔、安全鋼板、次世代式足場といった現場指定の機材も、幅広く取りそろえているレンタル会社をうまく活用することで、どんな現場にも柔軟に対応できるでしょう。

さらに、工事中に突然別の機材が必要になる場面でも、レンタル会社に連絡すると早期的な解決が望めるというのも現場では大きな安心材料です。

デメリットを理解した上での活用が重要

もちろん、デメリットがゼロというわけではありません。運搬費や延長料金、破損リスクなど、注意すべき点はあります。しかし、それらを理解した上で運用すれば、レンタルは業務の効率化にもコスト削減にも非常に有効な手段になるでしょう。

建設の現場では、「すべてを持つ」よりも「必要なものを必要な時に借りる」方が合理的。それが今の時代のスタンダードになりつつあると感じています。


まとめ

建設機材のレンタルは、コスト削減、調達スピード、多様な現場ニーズへの対応という点で多くのメリットがあります。一方で、紛失・破損リスクや追加費用、資材管理の煩雑さといったデメリットも存在します。

重要なのは、購入とレンタルを賢く使い分けること。基本的な資材は自社で保有し、特殊・一時的な機材はレンタルを活用する。この戦略的な使い分けが、現代の建設現場における最適解と言えるでしょう。


この記事を書いた人

HOYOSHAinternational株式会社は、「鳳陽社」「信和リース」「ルミエール」を関連会社とする企業グループです。

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